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- 2024.10.02
- 【コラム】従業員等が会社から受ける経済的利益について
こんにちは!さいたま経理代行センターです。
会社の役員様や経理担当者様の中には、従業員等に対して金銭による給与以外の費用負担や金品の贈与などを行った場合、単純に会社の経費(損金)等として、給与課税の対象外とお考えの方もいるのではないでしょうか。この記事では、ケース別に税務上の取り扱いを解説していきますので、経理担当者の方や給与計算の負担を軽減したいと考えている方は、ぜひ最後までお読みください。
経済的利益として課税されるものとは
従業員が会社から受ける経済的利益とは、給与として現金を受け取るだけでなく、金銭以外の形で利益を得ることを指します。
注意しなければならないのは、給与を支給したのと同様の経済的効果をもたらす費用負担などは、「経済的利益」として給与課税の対象となることです。この経済的利益に該当するものの例として、次のものがあります。
経済的利益として課税される額
経済的利益が課税対象となる場合、その金額はどのように算出されるのでしょうか?
① 物品(商品)その他の資産の無償・低額譲受け
無償で物品を譲り受けた場合、その資産の時価が給与課税対象額となります。低額で譲り受けた場合は、その額と実際に支払った金額との差額が課税対象です。
② 土地・家屋その他の現金以外の資産の無償・低額借受け
無償で物品を譲り受けた場合、通常支払うべき対価の額が給与課税対象額となります。低額で譲り受けた場合は、その額と実際に支払った金額との差額が課税対象です。
③ 金銭の無利息・低利息借受け
無利息の場合は通常の利率により計算した利息の額、低利息の場合はその額と実際に支払った利息との差額が課税されます。
④ ②③以外の用役(サービス)の無償・低額享受
無償の場合は通常支払うべき対価の額、低額の場合はその額と実際に支払った金額との差額が課税されます。
⑤ 未払金等の債務の免除・肩代わり
債務免除の場合はその免除された金額の相当額、肩代わりした場合はその負担した金額が課税されます。
給与課税の対象とならない経済的利益の例
次のような費用負担等は、給与課税の対象とはならないとされています。
① 通勤手当・旅費等
・電車・バス通勤者の通勤手当
通勤のための運賃・時間・距離等の事情に照らして、最も経済的かつ合理的な経路および方法で通勤した場合の通勤定期券などの金額が非課税となります。
ただし、1か月当たり15万円を超える場合には、15万円が限度額となります。
・マイカー・自転車通勤者の通勤手当
1か月当たりの限度額は、片道の通勤距離(通勤経路に沿った長さ)に応じて定められています。
具体的な限度額については次の表を参照してください。
・転勤に伴う転居費用等
家族分も含めて転居のために必要な運賃、宿泊費、引越し費用などとして、適正な旅費規程等に基づく金額であれば非課税とされています。
② 社宅費用
従業員が会社から提供される社宅の場合、一定の家賃(賃貸料相当額)を支払っていれば課税されません。
なお、役員社宅の場合には、一定の床面積を超える場合や、いわゆる豪華社宅に該当する場合は、非課税要件が厳しくなるので注意が必要です。
③ 食事支給・補助
次の2つの要件のどちらも満たしていれば、非課税とされています。
・役員や従業員が食事の価額の半分以上を負担していること。
・次の金額が1か月当たり3500円(税抜き)以下であること。
④ 社員旅行
社会通念上一般に行われている旅行と認められるもので、具体的には次のいずれの要件も満たすものが非課税とされます。
・旅行の期間が4泊5日以内(海外旅行の場合には、外国での滞在日数が4泊5日以内)であること
・旅行に参加した人数が全体の人数の50%以上であること
⑤ 人間ドックの費用負担
健康管理の必要から、一般的に実施されている人間ドック程度のもので、一定年齢以上の希望者はすべて検診を受けることができ、検診を受けた者のすべてを対象として、その費用を負担する場合には非課税とされています。
まとめ
従業員への経済的利益の提供は給与課税の対象となるケースが多く、税務処理を正確に行うことが求められます。経済的利益に関する知識を深めることで、会社と従業員の双方にとって最適な方法での対応が可能になります。
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